デスクジョッキー

 DJブースをつくれ。

この脳髄に。
毎日の夕飯をかんがえる脳だけ残して。

所詮、無駄ごとを考えるだけなら
いかした音楽をかけるDJを住まわせた方がよい。
CDでもテープでもよい。
俺に必要なのはBGMだ。
この脇役感をなくすにはDJを雇うしかない。
クラシックだと堅苦しい。
バンドを雇う予算もない。

もうこれ以上叔父貴には迷惑をかけられない。

音楽というやつに気恥ずかしさを感じている俺には
ブースを設営する前の準備が必要だ。
つまりリハビリだ。

とりあえず口ずさもう。その気にならなくては。
目を閉じよう。集中しなくては。
リラックスしなければ。そうだ、軽く運動しよう。
家でも簡単にできるラジオ体操が最適だ。
朝まで待とう。

しかしここで寝てしまってはもったいない。
DJブースの設計を考えよう。

ひょっとして俺には建築家としての
才能が秘められているのではないか。
思いのほか、線がまっすぐだ。
フリーハンドだというのに。

もっとまっすぐ もっと長く もっと早く もっと強く。
この線と永遠に結ばれたいんだ、俺は地平線を目指すんだ。

鍵もかけずに俺は裸足のまま飛び出した。
ペンを持って 俺は線を引き続ける。 こいつは俺の命/ソウル
おんなこどもが杏仁豆腐の弾力に一喜一憂してる間にも俺はソウル。

俺の来た道 まっすぐだせ けしてふりかえらないぜ ベイベ
俺はなんだかロッカーのようだ ロッカーだ ろっかーだ
革ジャンがない パジャマじゃだめなんだ 革がニクイ

こうなったら革ジャン(合皮可)をうばうしかない
革ジャンがないと先へ進めない
さびれた商店のショーウィンドーをたたきわった 
意味なんかないゼ!!
はしゃぐ俺 少年的俺


年季の入った革ジャンは肌になじむ わるくない

目の前のタナカ写真店のカメラ親父 
俺の専属キャメラマンに抜擢

俺は富士山なんかより すっとエキサインティングだぜ
親父はのりのりノッテきた 次の生きがいは俺
すこやかにいきいきとシルバーライフ。
山歩きで鍛えた足腰で俺を激写

スローモー ハイキング サンシャイン







★★★
上の短文はずっと前にかいたやつで
思いっきり冗談で書いたけど、これを地で行く人が出てきたように思う


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